Core Web Vitalsの基本
Core Web Vitals(コア・ウェブ・バイタル)は、Googleが定めた「ユーザー体験(UX)」を測定するための3つの主要指標です。以下の3点を通じて、Webページの品質を定量的に評価します。
1. LCP(Largest Contentful Paint)
読み込みパフォーマンスを示します。ページ内でもっとも大きなコンテンツが表示されるまでの時間で、2.5秒以内が理想、4.0秒以上で不良とされます。
2. INP(Interaction to Next Paint)
応答性を測定します。ユーザーの操作に対する描画の遅延時間で、200ミリ秒未満が目標です。2024年に旧指標FIDから置き換えられました。
3. CLS(Cumulative Layout Shift)
視覚的安定性を示す指標です。ページ内の予期しないレイアウト移動のスコアで、0.1未満が良好、0.25以上は不十分です。
SEOとCore Web Vitalsの関係
Core Web Vitalsは2021年からGoogle検索のランキング要因に組み込まれました。とはいえ、Googleは常に**「検索意図に関連する質の高いコンテンツ」が最も重要**と明言しています。つまり、
- 同じ品質のコンテンツ同士では、Core Web Vitalsの良否がランキングを左右します。
- スコアが良好でも、内容がユーザーの求めるものと合致していなければ順位は上がりません。
Core Web Vitalsは、あくまで**「質の高いコンテンツ+優れた体験」を評価するための補助指標**です。
ビジネスへのインパクト
Core Web Vitalsの改善は、ユーザー体験向上だけでなく、売上や広告収益にも寄与します。
- Vodafone(イタリア):LCP改善で売上8%増
- iCook:CLS改善で広告収益10%増
測定・確認に使えるツール
以下のツールを活用して現状把握と改善を進めましょう。
- PageSpeed Insights:モバイルとPCの両環境で評価
- Google Search Console:「ウェブに関する主な指標」レポートが便利
- Chrome DevTools / Lighthouse:実装レベルの課題を特定可能
- CrUX:実際のユーザー行動データに基づいたレポート
- Web Vitals Extension:ブラウザでリアルタイムにスコア確認
改善のポイント
- LCP改善:画像圧縮、サーバー応答時間短縮、初期描画の最適化
- INP改善:JavaScriptの削減・非同期化、タスクの最適化
- CLS改善:画像や広告のサイズを事前指定、レイアウトの固定
その他のページ体験指標(Core Web Vitalsと併用される)
- モバイルフレンドリー:スマホでも使いやすいか?
- セーフブラウジング:安全性の確保
- HTTPS:暗号化された通信
- 邪魔なインタースティシャルの回避:ポップアップなどがUXを阻害しないか
まとめ
Core Web Vitalsは、SEOにおけるランキング改善だけでなく、ビジネス成果やユーザー満足度を左右する重要な指標です。ただし、スコアのための改善ではなく、常にユーザー中心の視点での改善を目指すことが、本質的な最適化につながります。
要点まとめ
- Core Web VitalsはUX向上とSEO強化の鍵
- 3つの指標(LCP・INP・CLS)が基本
- 高品質なコンテンツが最優先、スコアは補助要素
- 売上や広告収益への影響事例もあり
- 専用ツールで定期測定と改善を継続
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