万野裕人– Author –
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株を配るという発想──「カブアンド」に見る、共感資本主義と中小企業の現実解
「会社の成長と従業員のモチベーションのベクトルを合わせる」。経営者にとって永遠の課題とも言えるこの問いに、ユニークなアプローチを示したのが、前澤友作氏が手がける「カブアンド」です。 誰もが企業の“仲間”として、株式報酬のような仕組みで企業価... -
リスキリングを“当たり前”にする経営:人材拡張の突破口はAIにある
「人が足りない」。これは、もはや日本の中小企業に共通する“空気”になりつつあります。採用難、退職リスク、事業承継──経営者の前には、常に「誰にやらせるか」という問いが立ちはだかっています。 この制約の時代に、企業が生き残り、成長していくために... -
『MBA実践録#09─ストラテジック・リ・オーガニゼーション─再生は「文脈」から始まる──企業再生の現場思考』
「企業再生」というテーマは、私にとって極めてリアルな関心領域です。日々の実務で多くの再生企業と向き合う中で、「ストラテジック・リ・オーガニゼーション(SRO)」の講義内容は、現場での視点と手法に直結する重要な学びとなりました。 私が最も強く... -
「知らない」ことすら知らなかった――中小企業経営者に問う、外部リソース活用という選択肢
「人が足りない」「時間がない」「ノウハウがない」。中小企業の現場では、こうした声が日常のように聞かれます。経営者は人手不足に頭を悩ませ、現場では属人化が進み、やるべきことを前に動きが止まる。まさに“リソース不足”という言葉が飛び交う毎日で... -
サステナ開示は“義務”から“戦略”へ──中小企業にとっての意味を考える
今朝の日経新聞にて、2027年から大企業を対象に「サステナビリティ情報の開示」が義務化されるという記事が報じられました。財務情報だけでなく、企業の環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する取り組みを、定量・定性の両面から示すことが求められる時代が... -
なぜ“会計”にも戦略が必要か?──中小企業経営者のための会計・税務戦略
「財務戦略」という言葉はよく耳にするのに、「会計戦略」「税務戦略」といった表現は、あまり一般的ではないかもしれません。しかし、企業が持続的に成長するためには、財務だけでなく、会計と税務も“戦略”として位置づける視点が不可欠です。特に中小企... -
『MBA実践録#08─経営戦略─経営戦略とは何かを、自分の言葉で語る──「自分なりの戦略眼」の探求』
MBAでの経営戦略の学びは、私自身の思考プロセスに大きな変化をもたらしました。単にフレームワークをなぞるのではなく、問いの立て方そのものを深め、文脈を読み解き、自らの言葉で戦略を語るという経験は、実務家としての視座を一段引き上げるものでした... -
『MBA実践録#07─ビジネス・アナリティクス─数字は嘘をつかない、でも使い手の「問い」がすべて──ビジネス・アナリティクスで経営を読み解く』
ファイナンス領域を専門としてきた私にとって、数字とは馴染み深いものであり、業務の多くは財務分析に基づいて組み立てられてきました。そんな中、ビジネス・アナリティクスの学びを通じて得たのは、数字というファクトの扱い方に対する新たな視点でした... -
『MBA実践録#06─マーケティング─マーケティングを“型”から解き放つ──STP-4Pを往還しながら顧客価値に迫る』
「マーケティングとは何か?」この問いに対して、私はMBAを通じて初めて真剣に向き合いました。ファイナンス領域を専門としてきた私にとって、マーケティングという分野は少し縁遠く、定性的で“曖昧なもの”という先入観がありました。しかし6回にわたるケ... -
中計は本当にいらないのか?──中小企業経営の視点から
先日の日経新聞で、大手企業を中心に中期経営計画(中計)の策定や公表を取りやめる動きが広がっているという報道がありました。味の素や三井化学といった名だたる企業が、いわゆる「中計病」からの脱却を掲げ、より柔軟な経営スタイルへと舵を切っていま...