万野裕人– Author –
-
ブログ
AI役員は中小企業経営の「勘と経験」をどう進化させるか――導入実務のステップと「認知限界を超える」可能性
先日、キリンホールディングスが「12の人格を持ったAI役員」を開発したとのニュースが報じられました。AIに人格を与え、経営会議に参加させるという発想は耳にするだけで強いインパクトがあります。「役員」という言葉の選び方も挑発的であり、同時に経営... -
ブログ
価格は「声なき言葉」——二重価格が示す企業の姿
価格戦略という言葉を聞くと、多くの方は「需要と供給のバランス」や「収益最大化のための最適解」を思い浮かべるのではないでしょうか。経済学の教科書には、需要曲線と供給曲線の交点で均衡価格が決まる、と書かれています。経営の現場でも「コストに一... -
ブログ
MBA実践録#17──ベンチャーキャピタル&ファイナンスーー不確実な未来を資金でつなぐ「攻めと守りの知恵」
ベンチャー企業にとって、資金調達は「成長のための燃料補給」です。ただし、燃料の種類や補給の仕方を誤ると、前に進むどころか足元から崩れてしまいます。 本稿では、MBA講義「ベンチャーキャピタル&ファイナンス」で得た知見を整理し、ベンチャーファ... -
ブログ
補助金に振り回されない経営へ──AI時代における中小企業の補助金活用再考
「うちには補助金なんて関係ない」。「補助金を申請したら通ったけれど、実行が大変で逆に負担になった」。 中小企業の経営者と話していると、このような声を耳にすることは少なくありません。補助金は中小企業にとって重要な資金調達手段の一つであるにも... -
ブログ
MBA実践録#16|サービスマネジメント──「期待」を設計し、「共創」で磨く
サービスは、完成品を手渡して終わりの世界ではありません。提供者と顧客が同じ時間と場を共有し、相互作用しながら価値を形づくっていく営みです。だからこそ「整えるべきもの」は、製品の仕様だけではなく、言葉、所作、タイミング、そして関係です。本... -
ブログ
経営を強くする「自己認知ツール」としての会計そして、その限界を超える“相対化”の視点
ここ最近、オルツやニデックにおける不適切会計の報道が、新聞紙上を賑わせています。上場企業における会計の不正は、当然ながら投資家を欺く重大な問題であり、断じて容認されるべきではありません。 一方で、非上場の中小企業に目を向けてみると、「会計... -
ブログ
MBA実践録#15──イノベーションによる事業構造改革ーー忘却・借用・学習を“仕組み化”する
イノベーションは「良いアイデア」ではなく、既存の合理性を一度疑い、組織の慣性を乗り越えて、学びを資産化する一連のマネジメントです。本稿では、講義で得た示唆を、実務でそのまま使える骨格に再構成します。キーワードは①組織の文脈と慣性、②ビジネ... -
ブログ
「やるべきことがやれない」という現象をどう捉えるか——認知✖思考力✖モチベーションの掛け算構造
企業再生の現場に入ると、必ず直面する光景があります。それは「やるべきことがやれていない」という現象です。資金繰りの管理にせよ、顧客対応にせよ、あるいは内部の業務改善にせよ、再生のために必要とされる行動は明確に存在しています。しかし、現実... -
ブログ
MBA実践録#14─オペレーション戦略─“経営戦略”と“一気通貫でつながる”オペレーション戦略
「QCDを高めましょう」という言葉を聞くことは少なくありません。しかし、この言葉が単なるスローガンに留まってしまっている現場も多くあります。重要なのは、「何のためにQCDを高めるのか?」という問いに立ち返ることです。 今回の「オペレーション戦略... -
ブログ
ゲームチェンジを翻訳する――中小企業が選ぶべき「小さな一手」
ゲームチェンジとは何か 「ゲームチェンジ」という言葉は、経営戦略の議論でしばしば使われます。文字通り「ゲームのルールが変わる」ことを意味し、単なる環境変化とは異なります。 たとえば、アマゾンは本の流通という既存のルールを覆し、ネット通販の...
