万野裕人– Author –
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「やるべきことがやれない」という現象をどう捉えるか——認知✖思考力✖モチベーションの掛け算構造
企業再生の現場に入ると、必ず直面する光景があります。それは「やるべきことがやれていない」という現象です。資金繰りの管理にせよ、顧客対応にせよ、あるいは内部の業務改善にせよ、再生のために必要とされる行動は明確に存在しています。しかし、現実... -
MBA実践録#14─オペレーション戦略─“経営戦略”と“一気通貫でつながる”オペレーション戦略
「QCDを高めましょう」という言葉を聞くことは少なくありません。しかし、この言葉が単なるスローガンに留まってしまっている現場も多くあります。重要なのは、「何のためにQCDを高めるのか?」という問いに立ち返ることです。 今回の「オペレーション戦略... -
ゲームチェンジを翻訳する――中小企業が選ぶべき「小さな一手」
ゲームチェンジとは何か 「ゲームチェンジ」という言葉は、経営戦略の議論でしばしば使われます。文字通り「ゲームのルールが変わる」ことを意味し、単なる環境変化とは異なります。 たとえば、アマゾンは本の流通という既存のルールを覆し、ネット通販の... -
MBA実践録#13──中小企業経営に活きるベンチャーマネジメントTips:変化に挑む組織づくりのヒント集
変化のスピードが日々加速する現代、いかなる企業においても「挑戦する力」が問われています。それは大企業だけでなく、むしろ中小企業こそ求められる視点かもしれません。限られた資源の中でどのように未来を切り拓くのか。そこにこそ、ベンチャーマネジ... -
AIツールは「足し算」ではなく「掛け算」──組み合わせ発想が、思考と経営を進化させる
近年、ChatGPTをはじめとした生成AIの普及によって、ビジネスにおける「AI活用」が現実的な選択肢として浸透し始めています。特に中小企業の現場においては、「人手が足りない」「情報の整理ができない」「企画を言語化するのが苦手」など、さまざまな経営... -
『MBA実践録#12──ファシリテーション&ネゴシエーション──場を動かす“仕込み力”と“信頼構築”の技法』
ファシリテーションとネゴシエーション──この2つの技術は、単なる会議術や交渉術ではなく、「人と人」「立場と立場」の間にある“ズレ”や“摩擦”を前提に、いかに場を整え、意味のある成果を導くかという対話技法の核心だと感じています。 MBAでの学びは、こ... -
「その部門、稼がせましょう」──コストセンターのプロフィットセンター化という視点
中小企業の経営では、人材・設備・資金のいずれも限られており、すべての部門に直接的な成果を求めることは容易ではありません。売上や利益を生み出す営業部門や製造部門が注目され、管理部門やサポート部門は「必要経費」として扱われることが多いもので... -
MBA実践録#11─パワーと影響力─人を動かす構造と技術
人を動かす──これはビジネスの最前線で常に問われる永遠のテーマです。私はファイナンスや戦略といった「数値や論理で語る世界」に長く携わってきましたが、グロービスの講義「パワーと影響力(PWI)」を通じて、その裏側にある“人の心”を動かすための構造... -
オフグリッドという選択──電力の自立が企業を強くする
「オフグリッド」という言葉を耳にすることが増えました。送電網(グリッド)に頼らず、太陽光や風力などを使って自らの電力を賄うという発想は、もともと自然志向のライフスタイルや僻地での生活に根ざしたものでした。 ところがいま、社会全体の不安定化... -
『MBA実践録#10─ファイナンスⅠ─6つの資本から考える、企業価値の本質──ファイナンスと経営の視座』
企業価値とは何か──ファイナンスの講義を通じて、この問いに対する私自身の解像度が一段深まったと感じています。 これまで私は、企業価値とはDCF(ディスカウント・キャッシュフロー)モデルを用いた「将来キャッシュフローの割引現在価値」として定義さ...