4Pには順番がある、でもそれは“絶対”ではない

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マーケティングの基本「4P」は、状況に応じて順序を柔軟に組み替えることで、より実践的な戦略となる。

◆ そもそも「4P」って何?

マーケティング戦略を考える際に欠かせないフレームワークが「4P」です。

  1. Product(製品):何を売るか
  2. Price(価格):いくらで売るか
  3. Place(流通):どこで売るか
  4. Promotion(販促):どうやって売るか

一般的には、この1→2→3→4といった順番に従って設計するのが教科書的なセオリーとされています。とくに新規商品を開発する際には、この順序が理にかなっており、多くの企業が取り入れています。

その順番をもう少し詳しく書いてみましょう。4Pの前段となるSTPは設計されているとします。

例えば「高級商材」で書いてみます。

  1. Product=ここではとある学習コンテンツをより高く売りたいとします。
  2. Price=高級商材にするため、通常の競合商品よりも約1.5倍や10倍などの値付けをします。
  3. Place=量を売るのではなく、信用度や希少性を高めるために限定会員のみといった場所で販売を考えます。
  4. Promotion=「何故、高いのか?」の理由と共に購入者のインサイトを突いた広告活動を展開します。

    もし高級商材なのに、低価格帯での販売が得意なPlaceで販売したりしたら、よっぽどの事でない限り、売れる事は期待できないので、4Pには一連の有機的な流れが重要になります。


    ◆ でも実際の現場では、順番どおりにいかない?

    実務では「4Pの順番通りに設計する」ことが常に正解とは限りません。最近は対となる4Cという概念が出て来たり、BtoB用に変換されたものもあったりしますが、それら全ておいて必ずしも順番どおりが正解かとは言い切れません。

    では、どのような場合にその順番を崩して考えるべきか?

    ● 例1:店舗をすでに持っている企業

    この場合、Place(どこで売るか)は既に確定しています。
    したがって、「その場所で売れるProduct(製品)」を逆算して考えることになります。

    ● 例2:プロモーションが得意な会社

    広告・プロモーションに強みを持つ企業では、「どう売るか(Promotion)」から発想し、「反応が取れる商品は何か(Product)」を考えることもあります。クライアントとの共同開発によって、新たな商品設計に至る場合も少なくありません。


    ◆ 大切なのは「順番」ではなく「応用力」

    4Pの正しい順番を知っておくことは基本です。しかし、それにとらわれすぎると、現場の柔軟性を失ってしまいます。重要なのは、「順番を変えるという選択肢を持つこと」

    4Pはあくまで“道具”であり、“順序”は目的を達成するための手段にすぎません。自社の状況やリソース、強みに応じて最適な戦略を描く――この“応用力”こそが、マーケターに求められる本当の力です。

    その練度が高まった時に、4Pにも弱点がある事に気付いてきますが、それはまた別の機会に譲ります。


    ◆ まとめ

    •4Pには基本の順番がある(Product→Price→Place→Promotion)

    •でも、その順番は状況によって変えていい

    •重要なのは「基本を理解した上で、自社なりに応用する力」

    マーケティングに正解はありません。だからこそ、自社に合った戦略を柔軟に描いていくことが求められます。

    それでは、またのブログで!

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